担保価値の評価
一般に預金や上場株式は比較的高めに評価されますが、不動産については、換金性が上場株式より劣るため、低めの評価とされます。
例えば上場有価証券(株券など)は、例えば時価の80%、
不動産については、高くても時価の70%程度が一般的と考えられます。
時価に掛ける割合のことを、「掛け目」といいます。
万一、融資したお金が返済されない場合には、貸し手は担保物件を処分してお金に換えて、融資したお金の回収をはかります。
お金に換えることが、すみやかにできる担保かどうか。
誰に売却しても時価評価が、さほどブレないかどうか。
掛け目の割合の大きさは、「換金性」により変わります。
「換金性」が高い担保は、時価により近い価値評価を受ける傾向にあります。
例えば、トヨタ自動車などの上場株式を担保に差入した場合。
担保を売却処分したい場合には、証券会社を通じて証券取引所での売却が容易に、かつそのときの時価で換金できますね。
一方、不動産については、物件ごとの個別的事情に左右されやすいこと、1物件あたりの取引金額が多額にのぼることから、売りたいと思っても、買い手を見つけるのが容易ではありません。
買いたい、という相手がみつかっても売却条件がすぐに折り合う、とも限りませんね。
その意味で、
不動産は上場有価証券よりも換金性が低い
ということになります。
不動産を担保に差入する場合は、
担保価値の評価が時価よりも相当低めにされることを、
あらかじめ理解しておきましょう。