取引企業倒産対応資金とは?
日本政策金融公庫の融資制度には、取引企業倒産対応資金という融資制度があります。
この制度は、例えば取引のある企業などが倒産してしまう事により売掛金の回収が困難になり、結果自社事業の資金繰りが悪化して経営の継続が困難である状況になった場合の救済措置として、日本政策金融公庫から融資を行う事で資金繰りを改善させる事が出来る制度となっており、いわゆるセーフティネット貸付の一つです。
個人事業主や中小企業の場合、取引企業も同様な規模の企業である場合が多いため、取引先が倒産してしまうリスクは比較的高く、このようなケースは頻繁に発生しています。
そのため取引企業の信用情報の管理・売掛金債権の回収に力を入れている企業も多くありますが、取引企業側も倒産の可能性があるといった情報が流れると取引をしてもらえなくなり、売上減少により倒産リスクが更に高くなってしまうため、仮に経営が危機的状況にあっても対外的には情報を公開しない場合がほとんどです。
そのため、取引企業が急に倒産してしまう事で共倒れになってしまうケースも多く、そうならないような対策として、このような救済的な位置づけである融資の枠組みが設けられています。取引企業倒産対応資金は国民生活事業と中小企業事業の両事業で取り扱いがあります。
取引企業倒産対応資金の融資条件としては、取引企業の倒産により経営の継続が困難な場合であって、以下のいずれかに該当する場合に融資を受けられる可能性があります。
- 倒産した取引企業に対し、50万円以上の売掛金債権を有する場合
- 倒産した取引企業に対する自社事業の依存度が20%以上を占める場合
- 倒産した取引企業に対し、差し入れ保証金や貸付金といった債権がある場合
- 倒産した取引企業の債務に対して保証している場合
- 倒産した取引企業が設置している商業施設に入居している場合で、倒産の影響を受ける可能性がある場合
- 倒産した取引企業からの受注や役務が、倒産の影響で取り消しとなった場合
融資資金の使途としては、取引企業の倒産により必要となる事業の運転資金に使用する事ができ、融資期間は8年以内となります。
融資金額の上限については事業ごとに異なり、国民生活事業は3,000万円、中小企業事業は1億5,000万円です。
なお、融資に伴う利率については、信用リスクなどによって変わりますので、日本政策金融公庫の窓口へご相談ください。