経営環境変化対応資金とは?
日本政策金融公庫には、経営環境変化対応資金という融資制度があります。
これはセーフティネット貸付の中の一つで、端的に言えば売上減少などの業績が悪化している場合に一時的にまとまったお金を融資をしてもらう事で運転資金などの資金繰りを改善し、事業を立て直す事が出来るような制度となっています。
経営環境変化対応資金の融資には基準があり、社会的、あるいは経済的な環境の変化などにより一時的に事業の業績が悪化してしまっているが、中長期的に見た場合には業績が回復し成長していける見込みがある事、及び以下8項目のうちいずれかに該当する場合に融資をしてもらえる可能性があります。
- 直近の決算期の売上高が前期または前々期に対して5%以上減少している場合
- 直近3ヶ月の売上高において、前年または前々年の同期売上高に対し減少傾向にあり、かつ今後も減少の見込みの場合
- 直近の決算期において、純利益または経常利益率が前期または前々期の数値に対し悪化している場合
- 直近の取引条件が悪化している場合(支払い条件短縮化、回収条件長期化等)
- 社会的な要因により一時的に業績が悪化し、資金繰りに支障をきたしている場合、もしくはきたす可能性がある場合
- 直近の決算期の税引前損益または経常損益の赤字幅が、前期に対し縮小しているものの、まだ損失が発生している場合
- 前期の決算期の税引前損益または経常損益で損失が発生しており、かつ直近の決算期において利益が増加したが利益準備金と任意積立金等の合計額を上回る程の繰越欠損金が発生している場合
- 前期の決算期の税引前損益または経常損益で損失が発生しており、かつ直近の決算期において利益が増加したが債務償還年数が15年以上の場合
経営環境変化対応資金は、国民生活事業と中小企業事業の2事業で取り扱いがあります。
いずれの事業においても上記の融資基準や、資金の使途は同じとなっていますが、融資金額の上限や融資の利率が若干異なっています。
国民生活事業の融資上限は4,800万円、中小企業事業の融資上限は7億2,000万円と定められており、ここが最も異なる点です。
返済期間は同じとなっており、設備資金であれば15年以内、運転資金であれば8年以内と定められています。
なお、金利については、その都度変化しますので、借入検討時は日本政策金融公庫のホームページをご参照するか、窓口へ問い合わせをしてください。