海外展開・事業再編資金とは?
海外展開・事業再編資金とは、日本政策公庫が行っている事業の一環で、主に海外への進出を考えている日本企業に向けた融資です。
海外へ初めて進出したいという企業にとっては、しっかりとした経済基盤を持ち、きちんとした準備をしてから事業を展開することが欠かせませんが、そのための資金調達の手段として利用されることが多いものです。
利率や貸付金額などにおいて有利な条件となっていますので、条件に適えば積極的に利用すると良い融資プランと言えるでしょう。また、すでに海外展開をしている企業が、その事業のために経営が悪化していて、日本国内における事業の維持が難しくなっているなどの場合にも、その事業を再編するために利用することもできます。
融資限度額は直接貸し付けの場合は7億2,000万円、代理貸し付けの場合は1億2,000万円となっていて、それぞれの案件ごとに具体的な金額が変化します。
利率は基本的に上限3パーセントとなっていますが、特別貸付などの制度もあり、それぞれのケースで異なります。
そのため、実際に融資の内容を知りたいという時には、貸付に必要な条件を確認すると共に、自分のところではどのくらいの利率になるかをチェックする必要があります。
この海外展開・事業再編資金は、設備投資のための資金としても運転資金としても利用できますが、その用途によって貸付期間が変わってきますので注意が必要です。
設備投資のための融資であれば最長で20年となっています。運転資金を目的とする融資であれば7年以内となっていますので、目的に応じた返済プランを作成することが求められます。
を受ける際には、海外展開に向けて綿密な計画を立てると共に、その資金面での計画もきちんと作ることが欠かせません。
海外展開・事業再編資金は、国内事業に注入するための資金というよりは、海外での事業に使用するということを前提としていますので、基本的には貸付は外貨、米ドルでなされます。
そのため、今まで外貨による資金調達や資産管理をして来なかった企業は、これを機に外貨での資金準備の方法を学ぶ必要があります。
どの銀行に資金を置くかによっても異なりますが、為替や資金移動の手段などを確認して、無駄のない資金調達と利用の方法を事前に知っておくべきです。
そうすることによって、この海外展開・事業再編資金を十分に効率的に活用できますので、事前の準備を重ねてスムーズに海外展開のためのプロセスを進めるようにしましょう。