金融環境変化対応資金とは?
日本政策金融公庫の融資制度には、金融環境変化対応資金という制度があります。
これはセーフティネット貸付の中の一つで、頻繁にある事ではありませんが、取引している金融機関が経営破たんなどに陥ってしまう事によって融資の継続が難しくなり、これに伴って事業の資金繰りが苦しくなってしまう場合があります。
このような状況の場合の救済措置として、取引金融機関の代わりに日本政策金融公庫より資金の融資を受ける事で資金繰りを改善させ、事業を安定的に運営できるようにする事を目的としています。
金融環境変化対応資金には融資基準があります。前提としては金融機関が経営破たんするなどの影響により資金繰りが悪化してしまったが、中長期的には事業によって経営が安定する見込みがある場合に、以下のいずれかの条件に当てはまる場合に融資を受けられる可能性があります。
- 取引している金融機関が行政庁より業務停止命令を受けた場合
- 取引している金融機関が経営破たん状態にある場合
- 取引している金融機関からの借入が株式会社整理回収機構に譲渡されるなどで経常利益を計上しており、業績が順調であると認められる場合(預金保険法等の規定に基づく)
- 経営状況が悪くないにも関わらず、金融機関からの借入金利が長期プライムレートの変動に比べて上昇するなどの状況になっている場合
- 国際的な金融不安、経済環境の変化などを背景として、取引金融機関から・借入残高減少・約定済の返済条件を超える弁済・当座預金解約・担保/保証人追加・借入金利引き上げのいずれかの取り扱い、もしくは要請を受けている場合
金融環境変化対応資金は、国民生活事業、中小企業事業にあり、上記の融資条件はどちらの事業でも同じとなっています。
資金は設備資金、もしくは運転資金に使う事が出来、それぞれの使途によって返済期間が変わります。
設備資金の場合は15年以内での返済、運転資金の場合は8年以内の返済となり、いずれの事業でも共通です。
融資金額の上限は、国民生活事業は4,000万円まで、中小企業事業は3億円までとなっています。
担保や保証人については、別途日本政策金融公庫の窓口にて相談となります。
また、借入の利率については、資金の使途や担保の有無、返済期間によって変わり、また借入のタイミングによっても変わってきますので、窓口へご相談してみてください。