ビジネスローンを活用して中小企業が即日で事業資金を調達する秘訣とは?
【目次(もくじ)】
- 1.ビジネスローンとは?
- 2.ビジネスローンと銀行・日本政策金融公庫融資との違い
- 3.ビジネスローンの4つのメリット
- 4.ビジネスローンで注意すべき3つのポイント
- 5.ビジネスローンに担保・第三者保証人は必要か?
- 6.ビジネスローン申し込みに必要な書類
- 7.希望額の融資が受けられない場合にどうするべきか?
1.ビジネスローンとは?
事業資金の調達といえば、多くの社長さんがまず思い浮かべるのは、日本政策金融公庫や信用保証協会付の銀行融資だと思います。
しかし、既に日本政策金融公庫や信用保証協会付の銀行融資で限度額いっぱいまで借りており、追加融資の審査に落ちた場合はどうすればいいのでしょうか?
また、そもそも、日本政策金融公庫や信用保証協会付の銀行融資は、融資の審査に2カ月前後は必要ですし、提出書類の準備も大変です。
仮に、融資が受けられたとしても、とにかく急いで運転資金・つなぎ資金が必要な場合は、膨大な提出書類の準備をして、日本政策金融公庫や銀行の審査を受けている余裕はありません。
例えば、従業員への給与の支払いや、仕入先への代金の支払いが1週間後に迫っているときに、融資の審査に2~3カ月も待つことはできません。
そのような場合に役立つのが、ノンバンクからの事業資金融資(ビジネスローン)です。
ビジネスローンは、最短で即日、事業資金調達が可能です。
しかも、個人事業主の場合は、総量規制の対象外です。
「ノンバンク」を怖いものだと誤解している方も多いのですが、ノンバンクについて正しい知識を持って、ビジネスローンを適切に使いこなすことができれば、ノンバンクからの借入は資金繰りの危機を救う有効な資金調達手段です。
ビジネスローンの特徴を正しく理解して、つなぎ資金・運転資金調達に役立てましょう。
2.ビジネスローンと銀行・日本政策金融公庫融資との違い
ノンバンクからのビジネスローンと、銀行・日本政策金融公庫等からの借入には、以下のような違いがあります。
それぞれの特徴・違いを理解した上で、状況に応じて使い分けることが必要です。
ビジネスローン | 銀行・日本政策金融公庫 | |
---|---|---|
審査の厳しさ | 緩やか | 厳しい |
融資の審査にかかる期間 | 短い(即日~3営業日) | 長い(1カ月~3カ月) |
提出するべき書類の量 | 少ない | 多い |
審査で何を重視するか? | 個人の信用情報・担保の価値 | 業績・決算書 |
融資の限度※ | 数百万が限度 | 数千万~数億も可能 |
金利 | 高め(15~20%) | 低め(1%~3%) |
適した資金使途は? | 運転資金・つなぎ資金 | 多額の設備投資にも対応 |
※融資の限度額は、ビジネスローンを提供する会社によって異なる。
3.ビジネスローンの4つのメリット
ノンバンクからの事業資金融資・ビジネスローンには、銀行や日本政策金融公庫との融資に比べて、次の4つのメリットがあります。
- 融資の審査が柔軟(緩い)
- 融資を申し込んでから融資実行までの期間が短い
- 審査に必要な提出書類が少ない
- 決算書の重要度が低い(決算が赤字でも融資可)
ノンバンクのビジネスローンは融資審査基準が緩く、また、融資の審査期間が短かいので、事務手続きもかなりスピーディーです。2~3営業日で融資の審査がおりる場合も多いです。
最短で即日の融資が受けられる場合もありますので、急な支払いが発生した場合など、臨時の「運転資金」・「つなぎ資金」の調達には最適です。
しかも、ビジネスローンは、会社の決算が赤字で銀行の追加融資の審査に落ちている事業者でも、融資を受けられる可能性があります。
銀行や日本政策金融公庫は、あくまで業績・決算書を重視して融資の審査を行います。
仮に担保を提供する用意があっても、決算書が赤字であれば、銀行や日本政策金融公庫からの借入は難しいです。
他方、ノンバンクのビジネスローン審査では、銀行に比べると決算書の重要性は低いです。
ノンバンクは、会社の過去業績・決算書の内容よりも経営者個人の信用情報を重視する傾向にあります。担保がある場合は、担保価値をかなり重視してくれます。
したがって、仮に、決算書が赤字で銀行から融資を断られたような事業者であっても、経営者個人の信用情報に延滞・破産等の金融事故の記録、いわゆる「ブラックリスト」の記録が無ければ、問題無くノンバンクから事業資金の融資が受けられる場合が多いです。
4.ビジネスローンで注意すべき3つのポイント
1.銀行に比べて金利が高め
ノンバンクのビジネスローンは、銀行や日本政策金融公庫に比べて審査が柔軟です。
審査が緩い分、ノンバンク側がリスクを負いますので、銀行や日本政策金融公庫等に比べて金利が高くなっています。
ただし、漠然と「高い」と考えるのではなく、具体的な借入期間と利息を想定してから借入するか否かを判断することが重要です。
例えば、300万円の運転資金をビジネスローンで金利15%で借りたとします。
300万円×15%=45万円
これが資金調達コストになります。
ただし、これは1年後に返済する場合の利息ですので、つなぎ資金として短期間(30日間など)だけ一時的に借りて、すぐ返済するのであれば、支払う利息の額は大きく減ります。
45万円×30日÷365日≒約37,000円
仮に、この4万円弱の資金調達コストで、即日300万の融資が受けられるとした場合
- ビジネスチャンスを逃さずに済む
- 従業員の給料が払える
- 取引先からの信用を失わずに済む
などのメリットの方が大きいと判断できれば、ビジネスローンを活用するべきでしょう。
ビジネスローンで事業資金を調達する場合には、漠然としたイメージで考えるのではなく、上記のように具体的な借入期間と金額を想定して、そのメリットや負担を計算した上で借入することが大切です。
2.銀行に比べて融資額が少ない
ビジネスローンの融資は、カードローンの形式で、1社あたり、数百万円が限度のものが多いです。
したがって、数千万~数億円といった、大規模な設備投資資金の調達には向きません。
ノンバンクのビジネスローン、カードローンは、あくまで、臨時の「つなぎ資金」、短期的で比較的少額な「運転資金」の調達を目的に利用することが適切です。
なお、ビジネスローンは、融資金額が少額であるため、短期間で返済すれば、「利息の絶対額」は通常の銀行融資の場合に比べて少額になることが特徴です。
例えば、銀行融資で3000万円を利率1.5%で借りても、1年後に返済すれば利息は45万円になります。
他方、ビジネスローンで300万円を利率15%で借りても、1カ月後に返済すれば、利息は約37,000円で済みます。
このように、ビジネスローンを短期的に少額の運転資金・つなぎ資金の調達に利用する限りは、利息も少額であり、経営上も大きな負担になることは少ないはずです。
3.銀行融資を受ける場合にはマイナス評価
ノンバンクのビジネスローンで借入が残っていると、銀行や日本政策金融公庫の融資審査でマイナスの要素になります。
そのため、基本的な資金調達の順番としては、銀行や日本政策金融公庫の融資を限度額まで借ることが優先です。
銀行や日本政策金融公庫の融資を受けられなくなった後に、ビジネスローンで事業資金を調達するように心がけてください。
将来的に、銀行や日本政策金融公庫の融資も資金調達先として視野に入れるなら、ビジネスローンを全額返済した後に、銀行や日本政策金融公庫への融資申請を行うようにしてください。
5.ビジネスローンに担保・第三者保証人は必要か?
個人事業主としてビジネスローンで資金調達を行う場合には、基本的に担保も第三者の保証人も不要です。
会社(法人)としてビジネスローンで資金調達を行う場合には、会社の代表者が会社の連帯保証人になりますが、第三者の保証人は不要です。
つまり、ビジネスローンでは、経営者の身体1つあれば、無担保・無保証で資金調達が可能です。
ただし、ビジネスローンを扱うノンバンクには不動産担保融資を専門に行っている会社もあります。
一般的に、銀行融資で不動産担保の評価をする場合は、時価の6~7割程度の評価になります。
他方、不動産担保融資専門のビジネスローンの場合、評価が銀行に比べて高めであることが多く、時価の8~9割程度の評価をしてくれる場合もありますので、銀行よりも多くの融資を受けることが可能になります。
そのため、担保に出せる不動産を保有しているのであれば、不動産担保融資専門のビジネスローンの活用も視野に入れるといいでしょう。
6.ビジネスローン申し込みに必要な書類
ビジネスローンは、銀行融資に比べて用意すべき提出書類が少なくて済むのが特徴です。
ビジネスローンを取り扱う会社によって提出書類が多少異なりますが、概ね共通して必要となるのは下記の書類です。
ビジネスローンで速やかに事業資金を調達するためには、下記の公的証明書等をあらかじめ用意しておきましょう。
- 直近の決算書
- 確定申告書(2期分)
- 納税証明書
- 会社の登記事項証明書(会社として融資を受ける場合)
- 印鑑証明書
- 代表者の本人確認証明書(免許証など)
創業直後のように業歴が浅い場合には、上記に加えて「事業計画書」や「収支計画書」の提出が要求される場合があります。
ビジネスローンは生活用の資金融資ではなく、あくまで「事業用」の融資であるため、事業内容や資金使途(事業用に使われるかどうか)を確認する必要があるからです。
7.希望額の融資が受けられない場合にどうするべきか?
ビジネスローンからの資金調達にも、審査があります。
銀行や日本政策金融公庫に比べて審査が緩やかといっても、自分が希望する額の満額の融資が受けられるとは限りません。
例えば、ビジネスローンで500万円の融資を申し込みしても、審査の結果、「200万しか融資できない」と言われた場合。経営者としてどうするべきでしょうか?
まずは、審査結果はやむを得ないものと受け止めて、この200万円を借りるべきです。
ビジネスローンを扱うノンバンクは複数ありますから、1社からの融資ではなく、自社の状況に適した複数のビジネスローンを組み合わせて500万円を調達すればいいのです。
または、ファクタリング(売掛金の売却による現金化)などの融資以外の資金調達方法を併用すればいいのです。
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自分の希望通りの満額の借入が認められなかったからと言って、融資を断る方もいらっしゃいますが、特定の1社からの借入にこだわってはいけません。
まずは、審査に通過した額の範囲で、ビジネスローンで融資を受けることが重要です。
仮に、希望に満たない少額の融資であっても、確実に返済実績を積み重ねれば、将来追加で融資をしてもらえる可能性が出てくるからです。
銀行や日本政策金融公庫での融資と同じように、ビジネスローンにおいても、少額でも返済実績をつけて信頼関係を構築することが、将来の追加融資のためには重要になります。
少額でも返済実績をつけて、追加融資をしてもらえそうなビジネスローンを数社確保しておき、将来、運転資金・つなぎ資金が不足した場合に備えましょう。