リースバックとは?
リースバックとは、土地や設備、車などをリースバック会社に売却した後、改めてリース契約をしてそれらのものを借り受けることです。ですから土地や設備、車などは今まで通り利用することができます。
リースバックのメリットは売却代が入るので、一時資金を調達できるという点です。また、売却したものをそのまま利用できるので仕事に支障が出ることもありません。さらに固定資産の所有権を移すことができるので、固定資産税を支払わなくても済むようになります。設備を購入する際に必要な償却費の計上も不要になります。維持のための費用もリースバック会社に任せられます。
リースバックする資産は貸借対照表では資産の部に記載されていますが、リースバックによって所有権がリースバック業者に移るので資産の部の金額が減ることになります。そうなると、当期純利益÷総資産業で計算されるROAが向上して外部からの評価が高くなるというメリットがあります。これをオフバランスと言います。ただし、平成20年にリース会計基準が改正されたため該当する上場企業では300万円未満のリース取引以外はオフバランスの恩恵を受けることができなくなりました。
上場していない中小企業ではリースバックで引き続きオフバランスができますが、リース料金を払い続けなければなりません。リース料金には物件取得価格の他に金利やリース会社の管理費や利益が含まれているので、割高になります。また、契約期間内に契約の解除をすることができず、解除すると中途解約金が発生します。
リースバックは、企業だけでなく個人が利用することもあります。子供の教育費が必要、老後の生活費を確保したい、事業資金の返済のお金が必要という人はハウスリースバックを活用できます。ハウスリースバックによって一時的にまとまったお金が入り、家賃を支払いながら自分の家に住み続けることができます。また、住宅ローンの支払いができなくなった人が、そのまま住み続けるために利用するという場合もあります。住宅の所有権を業者に売ってから、住宅の賃貸契約をリースバック業者と結び住宅を借ります。住宅に対する所有権が無くなるので固定資産税の支払いもしなくて済むようになります。売却代金で住宅ローンも完済できます。事前に買戻しのための契約を結んでおけば将来、住宅を買い戻すこともできます。ただし、リースバック業者に売却する時には通常売却価格よりも安くなることがあります。