開業資金調達(国民生活金融公庫融資コンサルティング等)から株式・合同会社の設立手続、開業後の経理までワンストップサポートを実現!関東一円対応!行政書士齋藤史洋事務所
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許認可事業で融資を受けるには

国民生活金融公庫に融資を申請するにあたって、あなたが営む事業が許認可を必要とするには原則として、事前に許認可を受けておく必要があります。

事業を営むにあたっては、あらかじめ官公庁から許認可を得なければ営業できない業種があります。

例えば、古本屋さんや中古車ショップ。
これは公安委員会からの許可が必要です。
飲食店を開業するには、保健所からの許可が必要です。

例外として

・すでに許認可の申請をしている場合、
・許認可申請期間に事前相談しており、許認可を受けられることが確実な場合、

これらについては、念書等で約束できればOKになる場合があります。
ただし融資を受けたが、結局許認可を受けられなかった場合には、ただちに返済を要請される場合があります。

やはり許認可は、事前に取得しておくべきでしょう。

許認可を得ることが必要な業種の事業を、許認可なしで営業した場合、処罰の対象となりますので注意が必要です。

許認可が必要なビジネスを開業する場合、その許認可を得るための条件、そして必要な時間を確認しておきましょう。

事業によっては、オフィスの広さや入り口が別々になっているかどうか(独立性)など建物の構造や設計について制限がなされていたり、自己資本の最低額についての規制があったりします。

また会社で融資を受ける場合で許認可が必要な事業の場合には、許認可を受けられるまでのスケジュールと必要条件に留意しながら、会社の設立準備をすすめる必要があります。

許認可を受けるために必要となる事業目的を盛り込んだり、取締役に事業経験者が必要となり役員追加・変更が必要となるなど、いったん認証を受けた定款を、あらためて作成しなおさなければならない、
とも限りませんからね…。

あなたが営もうとするビジネスに許認可が必要かどうか。

NET21業種別スタートアップガイドをご覧になるか、行政書士へお問い合わせ下さい。



借入資金の使途

開業資金を融資で調達するにあたっては、借入資金の使途を明確にしたうえで借入の申込をする必要があります。
新規開業にあたって必要となる開業資金は、次のように色分けされます。
(1) 新規開業に必要となる資金………………設備資金
(2) 開業後の一定期間に必要となる資金……運転資金

(1) 新規開業に必要となる資金

 例えば、新しく事務所をつくるために必要となる、大家さんへの敷金・礼金、事務所の内装レイアウト、机・いす、応接セット、電話、ファックス、コピー機などの取得(あるいはリース)に伴う支出が考えられます。また製造業のビジネスなら、工場建設に必要となる建物、土地の購入(あるいは賃借)、製造機械の購入(あるいはリース)などが考えられます。
これらは、一般に「設備資金」に分類される資金使途になります。

(2) 開業後の一定期間に必要となる資金

 どのくらいの期間を想定するかは意見が分かれるところですが、開業資金調達段階においては、開業後2年間を想定しておくべきでしょう。民間金融機関からの借入ができるまでの最低期間、日常的な事業運営に必要となる支出を賄うための資金、すなわち「運転資金」に分類される資金使途です。

 例えば製造業であれば、製品をつくるのに必要となる原材料仕入代金、役職員の給料・賞与、工場の光熱費、税金など。小売業であれば商品仕入代金、役職員の給料・賞与、事務所や店舗の家賃・光熱費、税金などが考えられます。

 「設備資金」は、数年間にわたる長期借入で資金調達をしましょう。 
購入目的となる設備の使用可能年数以内で、当該設備から得られた収益を返済原資として、長期間にわたり借入金を返済していくのです。

 もし設備資金を短期間の借入金で賄った場合、購入した設備から会社が収益を獲得する以前のタイミングで返済期限が来ますから、借入金をいったん返済しなければなりません。その場合、短期借入金の「借り換え」ができればいいのですが、もし金融機関が借り換えに応じない場合には、会社の運転資金がショートして倒産する危険性が高まることになります。

 「設備資金は、設備使用期間を借入期間とした長期借入金で賄う」
のが資金繰りを楽にする大切なポイントです。

 一方の、運転資金。
 「運転資金は、1年以内の短期借入金で賄う」
のが、財務戦略上のセオリーです。

 ビジネスを展開する上では、販売するために必要となる商品や原材料の仕入代金や人件費の支払が売上代金の回収よりも早いため、会社には資金の立替負担が生じます。その立替負担がどの程度の期間、いくらくらい必要になりそうか、をあらかじめ予測します。そして金融機関に早いタイミングから財務内容と資金繰りの状況をすすんで情報提供(月次の決算報告)をしたうえで、「これだけの金額について運転資金の融資をお願いしたい」と申込みするのが、事業が軌道に乗った後における民間金融機関とのお付き合いのしかたです。

 ただ新規開業して間もない場合、事業が軌道に乗るまでに時間が必要となるのが通例ですし、また民間金融機関からの借入をする場合でも開業後2事業年度の税務申告実績が必要となるため、その間は融資を受けることができません。

 従って当面の運転資金を確保するには、国民生活金融公庫など公的金融機関から、1年を超える長期間の借入を行って、月々の返済負担を軽くしながら、運転資金を切り回していく必要があるのです。



担保価値の評価

融資を受ける場合に差入れる担保の価値については、時価よりも低めに評価されます。
一般に預金や上場株式は比較的高めに評価されますが、不動産については、換金性が上場株式より劣るため、低めの評価とされます。

例えば上場有価証券(株券など)は、例えば時価の80%、
不動産については、高くても時価の70%程度が一般的と考えられます。
時価に掛ける割合のことを、「掛け目」といいます。

万一、融資したお金が返済されない場合には、貸し手は担保物件を処分してお金に換えて、融資したお金の回収をはかります。

お金に換えることが、すみやかにできる担保かどうか。
誰に売却しても時価評価が、さほどブレないかどうか。
掛け目の割合の大きさは、「換金性」により変わります。
「換金性」が高い担保は、時価により近い価値評価を受ける傾向にあります。

例えば、トヨタ自動車などの上場株式を担保に差入した場合。
担保を売却処分したい場合には、証券会社を通じて証券取引所での売却が容易に、かつそのときの時価で換金できますね。

一方、不動産については、物件ごとの個別的事情に左右されやすいこと、1物件あたりの取引金額が多額にのぼることから、売りたいと思っても、買い手を見つけるのが容易ではありません。
買いたい、という相手がみつかっても売却条件がすぐに折り合う、とも限りませんね。

その意味で、
不動産は上場有価証券よりも換金性が低い
ということになります。

不動産を担保に差入する場合は、
担保価値の評価が時価よりも相当低めにされることを、
あらかじめ理解しておきましょう。



保証人として望ましいのは・・・

新規開業融資においては通常、保証人をつけることが金融機関側から求められます。

ここで保証人はどのような方が望ましいのか?

ということが気になると思います。

原則として、生計を別にする安定的な収入が見込まれる方

というのがその答えとなります。

国民生活金融公庫の新規開業融資では、一件当たり数百万円程度までの融資が多いのですが、この場合、保証人をひとりつけることが要請されるようですね。

個人事業で借入れする場合は、生計を別にする第三者を保証人にすることが必要とされます。
安定的な収入が見込まれるのでしたら、一般のサラリーマンでも保証人として認められているようです。

両親を保証人にされるケースでは、生計が同一ですと保証人としては認められないと思われます。
生計が別であっても年金生活者である場合には、例えば賃貸不動産収入など年金とは別に安定した収入がある場合には、保証人として認められているようです。
年金収入のみの場合は、保証人としては適格ではないと考えられます。

会社として融資を受ける場合は、会社代表者個人が保証人となることが認められています。
会社は「法人」という別人格なので、会社代表者が保証人になれるのです。
個人事業より法人で事業を行う場合の、ひとつのメリットですね。

なお、融資規模が1000万円以上と大きい場合には、複数の保証人か、不動産などの担保差入が要請されるようですね。
また、融資希望金額に比べて自己資金が少ない場合には、保証人の収入条件など金融機関側から厳しい要請がなされる可能性もあります。

まずは事業計画を練り上げること。

そして必要資金を見積もり、自己資金を計画的に積み立てること。

自己資金が必要資金の30%程度まで積み立てられたら、保証人を立てて融資申請に向けて行動開始!ですよ。



「担保」か「保証人」をつける努力を・・・

「担保」か「保証人」があれば有利

起業促進を目的として、新規開業者向け融資を積極的に手掛ける「国民生活金融公庫」(国金)といえども民間金融機関と同様に、原則として、不動産や有価証券などの「担保」の差入、あるいは「保証人」をつけるか、どちらかをあなたに要請します。

貸したお金はきちんと返してもらえるように、債権の保全についてもできるだけの手当てを図るのはお金を貸す側として当然のことでしょう。営利を目的としない政府系金融機関とはいうものの、万一貸付が焦げ付いて返してもらえない場合には、国金が蒙る損失を「国民の税金で穴埋め」しなければならないのですから。

例えば国金で取扱う「新規開業ローン」では、運転資金4,800万円まで、設備資金7,200万円まで融資が可能な制度ですが、担保差入または保証人のどちらかが必要とされています。

数百万円程度の融資案件の場合、担保差入は求められないものの、あなたと生計を別にする保証人を少なくとも1名つけることを要請されることが多いようです。

第三者保証人等を不要とする融資」という制度もあります。
この制度ではあなた自身や配偶者などご家族、または自社の役員が保証人となることができますが、税務申告を2期以上行っていることが適用条件のひとつとされていますので、新規開業段階では対象外となります。

1000万円を超える融資案件になりますと、不動産など担保の差入を要請されるようです。
担保物件の評価については、「掛目」といって時価相当額よりは少し低い評価額に抑えられるのが通例です。不動産の担保価値評価は時価の70%程度ですが、立地条件などの理由で売却がスムーズにいかないことが想定される場合はさらに低い掛目での評価となるようです。

不動産の特性として、担保物件を処分売りしたいときに買い手をすぐに見つけられるとは限らないこと、物件の個別事情の要素が売買価格決定に大きく影響する等、スムーズに現金化できるとは限らないため、担保価値評価は時価よりも低めの評価とされるのです。

「担保」「保証人」が不要な融資制度として、「新創業融資」という制度も用意されています。無担保・無保証というメリットがある反面、融資限度額は自己資金の2倍かつ最高でも1000万円までと低めに設定されていること、また借入金利は「新規開業ローンの金利+1.2%」と高めに設定されているのがデメリットといえます。

お金を貸す側の立場でいえば、新創業融資の融資可能限度額を低めにしているのは、貸付金が万一焦げ付いても最小限の損失で済むようにしたいためですし、また支払金利を高めに設定しているのは、債権保全なしに融資することによる焦げ付きリスクの見返りというわけです。

あなたにとって有利な条件で、かつ可能な限り多額の融資を受けようと考えるのであれば、「新規開業ローン」の利用を前提に、まずは不動産などの担保差入、あるいは生計を別にする保証人をつけることを検討すること。

これが、開業資金調達成功への近道といえましょう。



自己資金は6ヶ月以上前から慎重に

開業資金を調達する上で心がけるべきは、  

  • 自己資金をより多くつくること
  • 「国民生活金融公庫」等の公的融資制度を上手に利用すること

これらが大切です。

自己資金が多いほど、融資も多く受けることができるしくみになっています。
自己資金の多さとその準備過程。金融機関は融資審査において、そこを慎重に判断しているのです。

みなさんが起業を考える上で、まずは「開業資金をどのように集めるか?」が課題となります。

自己資金だけでは、事業資金を賄いきれないことがほとんどだと思います。
事業資金として不足する分は、金融機関などから融資を受けることになります。

事業をこれから始める場合や、開業後5年以内の場合であれば、「国民生活金融公庫」(国金)の融資制度が利用しやすいでしょう。

「国金」では、これから開業する起業家や開業後の税務申告2期分を終えていない方を対象とした「新創業融資」があり、自己資金の2倍まで無担保・無保証人で借入できるしくみになっています。

そうはいっても、審査の状況によっては借入に際して担保や保証人を必要とされる場合もあります。

事業を早めに軌道に乗せるためには、借入金は少ないに越したことはありません。借入金の返済負担が重くなると、事業の採算性や健全性を損ねることにつながります。

開業、創業を思いたったら、まずは「着実に自己資金を蓄えること」から始める、という姿勢が大切です。

「国金」の融資資金は、郵便貯金に預けられたお金が元手になっています。

政府系金融機関といえども、「貸したお金が将来きちんと返してもらえるか?」を慎重に検討し審査するのです。
万一、貸したお金を返してもらえないとなったら、その損失は国民の税金で穴埋めすることになるのですから。

どんな事業を行うのか、開業する動機、貸付する相手である「あなた」の知識・ノウハウ・経験、販売する商品のセールスポイントもさることながら。
最も慎重に検討されるのは、あなたの「人柄」なのです。それはどのように判断されるかというと、自己資金の多さと準備過程をみるのです。

「自己資金の多さは、開業にかける熱意に比例する。」
といっても差し支えないと思います。

チェックされるポイントとしては、

  • どのくらい前から開業しようと考えていたのか
  • どのくらいの準備期間で貯めたのか
  • どれだけ計画的に貯めたのか
  • 何かを犠牲にしてでも成し遂げようとしたのか
  • 家計のムダなどを削減したのか

が考えられます。

自己資金は預金通帳で確認します。これは6ヶ月前にさかのぼって確認されます。
什器備品の購入など、大きな支出もできるだけ預金通帳に記録しておき、あわせて領収書を残しましょう。

そうすることで、既に支出済みでも融資審査上、自己資金と認めてもらえます。

最後にひとつご注意を。

「見せ金」は厳禁!ですよ。

これは、どこからか調達してきたお金を一時的に預け入れ、通帳に記帳し、いかにも自分の預金であるかのように見せかける行為のことをいいます。

6ヶ月まえにさかのぼって自己資金の出所を確認されますので、直前に多額の入金があったとしても、それが他からの借入である場合、自己資金とは認めてもらえません。金融機関からの信用を損なう行為となりますので、ご注意を…。

金融機関は、融資審査で「自己資金」の出所を慎重に確かめる。
6ヶ月まえまでさかのぼって確かめる。「見せ金」は厳禁!



融資は開業後よりも開業時!

「開業資金」の不足分は、まず公的金融機関からの融資を受けることを検討します。特に「国民生活金融公庫」は、国策として起業を促進することを目的としたもの。

開業資金の融資には積極的に取り組んでくれますし、融資に必要なアドバイスもしてくれます。

上手に利用すれば、開業後よりむしろ「開業時」が融資を受けやすい…ともいえます。

銀行など民間金融機関は一般的に、開業資金の融資には消極的です。

開業直後は赤字決算となる可能性が高く、通常の融資に比較して「貸倒れ」となるリスクが高いからです。

開業済みの会社が融資を申し込むにあたっては、最近2事業年度分の「税務申告書」「決算書」の提示が求められます。

いいかえれば、開業から2年経過しないと「門前払い」される可能性が高い、ということです。

だからといって、事業年度経過後に融資を申し込んだら融資してもらえる…とも限りません。
開業したての初期段階は、赤字決算になることが珍しくありません。

金融機関は赤字決算の会社に融資するかどうかを検討するにあたって、なぜ赤字決算となったのか、その原因の説明を聞いてきます。

そしてその原因を解決するための対応策、その対応策が順調に進んだとした場合の業績見通しについても、納得がいくまで説明を求めてくるでしょう。

開業直後から業績が順調でしたら問題はないのですが…。

その意味では、実は、

開業後よりも「開業時」のほうが融資を受けやすい

ともいえると思います。

これから開業をしようとお考えの方、また開業して2事業年度を経過して
いない方にとっては、民間金融機関ではなく。

まずは公的な融資制度、 

  • 「国民生活金融公庫」(国金)の新規開業融資制度
  • 地方公共団体が行っている新規開業融資制度
  • 「信用保証協会」の保証を受ける。

を利用することをご検討されるのがベターです。

特に、「国金」は国策でできた公的な金融機関。
国金は、あなたが創業・新規開業することを望んでいます。
国金のホームページをみてみましょう。

「創業をお考えのみなさまへ」

というコーナーで、新規開業のための融資制度の説明のほか、

「創業準備のチェックポイント」
「事業計画の立て方Q&A」

など、起業家のみなさまにぜひご覧いただきたいアドバイスが掲載されています。

そして「借入申込書等ダウンロード」をクリックすれば、「借入申込書」「創業計画書」「企業概要書」の3点セットが、記入例とともに用意されています。

「国金」は、起業家のあなたにお金を貸したいのです。
「国金」の担当者は、そのために最善策をアドバイスしてくれます。
ここが民間の金融機関と違うところです。

ただし「資金計画」がしっかりしていないと、彼らはお金を貸すためのアドバイスをしたくとも出来ません。そのためには、やはり「自己資金」を計画的に準備することが重要、ということにつながると思います。

国金などから必要なだけの融資を受けるために。
事業計画の策定段階から、専門家であるわたしたちにご相談されてみては、いかがでしょうか。 



開業資金の調達手段

開業資金の調達手段

開業資金の調達手段としては、次のパターンが考えられます。

  1. 自己資金
  2. 「親族」「知人」からの借入・出資
  3. 「公的金融機関」からの融資
  4. 「助成金」「奨励金」
  5. 「民間金融機関」からの融資
  6. 株式発行(直接金融)、社債発行(間接金融)

上記の順番は、開業資金の調達にあたり実現可能性の高い順に記載しています。

(1).自己資金

いうまでもなく、あなた自身が自由に使えるお金です。
開業資金をすべて自己資金で賄うことができれば、思いのままに経営することも可能です。しかしほとんどの場合、自己資金だけでは必要な開業資金を賄うことは困難であるケースでしょう。

開業資金の融資を受けるにしても、融資制度上は自己資金相当額まで、あるいはその2倍…というように、自己資金の金額を基準に融資可能限度額が決められています。ですから自己資金をできるだけ多く用意できれば、それだけ多額の融資を受けることができ、開業資金の調達がスムーズに運びます。

これから開業しようと考えている方は、会社勤めをされている方、または定年等で会社をリタイアされた方が多いと思います。将来の新規開業に向けて、中・長期の期間にわたり積立預金をしたり退職金を元手にしたり…。

自己資金の出所をきちんと説明できることが、実は後々大切になってきます。

自己資金の多さとその準備過程をみれば、新規開業に向けての熱意、本気さがわかるのです。融資審査でも慎重に検討されるところです。

いかに自己資金を多く準備できるか?
そして、不足する部分をどのように調達するのか?

まずは開業資金調達の成功が、すなわち起業成功への第一歩となるわけです。

(2)「親族」「知人」からの借入・出資

もっとも頼りになるのは、「親族」あるいはごく親しい「知人」からの借入でしょう。
特に家族や親戚関係から支援を受けるケースを多く見受けます。

数年間にわたる長期借入による資金調達が一般的です。この場合、金銭消費貸借契約書をきちんと整備し、借入条件、特に支払う金利、返済方法(分割払いか期日一括払いか)、担保、保証人の有無を明確にしておく必要があります。

これがない場合、例えば支払利息のやりとりがない場合には、お金を貸した側に対して、本来は貰ってしかるべき受取利息部分について税務上の所得を認定される可能性が高いですし、あるいは「贈与」とされ多額の税金を借りた側が支払う危険性がありますので、注意しましょう。

またお金を出す側に、新規開業への理解が深く投資リスクも許容出来る場合には、出資してもらう方法もあります。この場合、融資審査上は自己資金として評価されます。

(3)「公的金融機関」からの融資

都市銀行、地方銀行、信用金庫など民間金融機関では一般に開業資金融資は取り扱っていません。彼らは、融資できる相手を選別しています。貸したお金を確実に返してもらえる見込みのある相手かどうかを、過去の経営実績から判断します。

少なくとも開業後2期間の税務申告が終わってからでないと、融資申込を受付しないしくみになっています。

新規開業をしたいのに開業資金の調達にめどが立たない状況を放置していたのでは、経済活動が活発にならず新規雇用も増加せず、ひいてはわが国の経済活動に支障を来たしかねません。

そこで政府が中小企業振興や新規開業を促進させる「政策目的」で設立した公的な金融機関から、開業資金を融資する制度がつくられています。
新規開業時においては、「国民生活金融公庫」からの融資がもっとも使いやすいでしょう。

その他に地方公共団体の創業支援融資制度、あるいは信用保証協会の保証を前提とした民間金融機関からの融資を受ける方法があります。
開業資金調達は通常、この(3)公的金融機関からの融資をいかに上手に利用するか、という視点で検討をすすめていくことになります。

(4)「助成金」「奨励金」

(3) と同様に、国の政策を達成させる目的でもうけられているのが「助成金」あるいは「奨励金」を交付する制度です。

(3) と異なるのは、「返済不要のお金」である点です。そのため、交付を受けるには厳しい条件を満たす必要がありますが、新規開業段階から申請できるものも多く用意されていますので、検討する意義はあります。

(5)「民間金融機関」からの融資

(3)でも述べたように、通常、民間金融機関では開業資金の融資(いわゆるプロパー融資)を取り扱っていません。一般の融資に比較して、返してもらえないリスク=貸し倒れとなる可能性が極めて高いからにほかなりません。

例外として、公的金融機関のひとつである「信用保証協会」に保証してもらった場合には、民間金融機関でも融資をしてもらえます(保証付融資といいます)。

この制度を利用した融資では、万一あなたが返済困難な状況になった場合、お金を貸した民間金融機関が信用保証協会に、あなたに代わって返済を求めます(代位弁済)。

その後、信用保証協会が民間金融機関に代わってあなたに返済を要請する、というかたちにかわります。

信用保証協会の保証付融資は、他の公的金融機関からの融資に比較して、保証をしてもらえる分支払う金利も高くなります。

(6)株式発行(直接金融)・社債発行(間接金融)

新規開業の場合、通常これらは開業資金調達の手段にはなりません。
直接金融・間接金融のいずれの場合も、お金の出し手としては、投資育成をビジネスとする民間系投資会社のベンチャー・キャピタル、あるいは政府系投資会社である中小企業投資育成などが考えられます。

融資を受けるのとは違った観点、つまり投資することにメリットがあるかどうか(例えば将来の株式上場→多額のキャピタル・ゲインを見込めるか?)からお金を提供できるかどうかを、投資会社らは独自に判断します。

融資を受ける以上に緻密な事業計画書と、同業他社にはみられない独特なセールス・ポイントと当該セールス・ポイントの収益性、将来の成長性などをきちんと説明していく必要があります。

民間金融機関からのプロパー融資を受ける以上に、厳しい審査を通過する覚悟が必要なのです。



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