ノンバンクとは?
【目次(もくじ)】
- 1.ノンバンクとは?
- 2.ノンバンクと違法業者(闇金)との違い
- 3.ノンバンクの事業融資は総量規制の対象外
- 4.ノンバンクで借入する際の優先順位に注意
- 5.ノンバンクから事業融資を受けるメリット
- 6.とりあえずノンバンクで融資の枠を作っておくと安心
- 7.ノンバンク事業融資とファクタリングを併用する
1.ノンバンクとは?
いわゆる「ノンバンク」とは、預金業務を行わずに、貸出(融資)のみを行っている金融機関の総称です。
実は、政府系の金融機関である日本政策金融公庫も預金業務を行わずに貸出(融資)のみを行っていますので、広い意味ではノンバンクです。
しかし、一般的には、銀行・信用金庫等以外の民間金融機関の指す言葉として「ノンバンク」が使われるケースが多いです。
具体的には、銀行以外の、信販会社や事業者向けビジネスローン等を扱う会社が、「ノンバンク」だとイメージすると分かりやすいでしょう。
このページでは、民間金融機関のノンバンクから、事業用の運転資金・つなぎ資金をビジネスローンで調達する場合の重要ポイントについて解説しています。
2.ノンバンクと違法業者(闇金)との違い
ビジネスローンを取り扱うノンバンクは、貸金業法の登録を受けた適法な事業者です。
そのため、あるノンバンクが貸金業法の登録を受けているかどうかは、金融庁のHPの「登録貸金業者情報検索サービス」から確認することができます。
また、管轄の都道府県に問い合わせれば、登録の有無を確認することもできます。
ビジネスローンの借入をする前には、貸金業登録の有無を確認をすれば安心です。
このように、ノンバンクは貸金業法の登録を受けた正当な金融機関ですので、仮に返済ができなくなった場合でも、法律を守った上での取り立てしか行いません。
脅迫などの違法な取り立てを行うことはありません。利息についても、利息制限法の範囲内での融資になります。
他方、いわゆる「闇金」などと呼ばれる違法業者は、貸金業の登録を行っておりません。
登録貸金業者情報検索サービスで登録が確認できなければ、その業者のビジネスローンは利用するべきではありません。
利率も下記の利息制限法を超えた法外な利率ですので、決して闇金から融資を受けてはいけません。
【参考:利息制限法の上限利率】
融資額 | 年利 |
---|---|
10万円未満 | 20% |
10万円以上100万円未満 | 18% |
100万円以上 | 15% |
なお、既に闇金等からの借入で返済が苦しい方は、融資ではなく、払いすぎた借金を取り戻せないかどうか、過払金がないか、無料診断を受けることをお勧めします。
3.ノンバンクの事業融資は総量規制の対象外
「総量規制」とは、年収の3分の1までしかノンバンクから借入できないという規制です。
原則として、クレジットカード会社、信販会社、消費者金融会社などの貸金業者(ノンバンク)は、年収の3分の1までの金額しか貸出できません。
しかし、この総量規制の例外として、事業用の融資であればノンバンクからの借り入れも総量規制の対象外となります。
ノンバンクが行っている事業者向けの融資であれば、個人事業主の借入でも総量規制外となります。
つまり、事業用のカードローン、ビジネスローンには、ノンバンクからの借入であっても、総量規制の対象外というメリットがあります。
4.ノンバンクで借入する際の優先順位に注意
ノンバンクの事業融資を検討する場合には、いきなりノンバンクの事業融資を申し込むのではなく、以下のような資金調達における優先順位に注意しましょう。
※4と5は併用して必要な金額を調達する方法が推奨。
ノンバンクから借入する前に、まずは銀行や日本政策金融公庫からの借入を検討します。
その理由は、ノンバンクからの借入に比べて銀行や公庫からの借入の方が金利が安いからです(その分、審査が厳しい)。
また、ノンバンクから借入の履歴があると銀行や公庫からの融資が受けにくくなるからです。
そのため、銀行や公庫からの借入が可能であるならば、銀行や公庫からの借入を優先すべきです。
また同じ銀行からの融資でも、信用保証協会の保証無しで融資が受けられる場合(プロパー融資)は、プロパー融資を優先し、経営が悪化した場合に備えて信用保証協会で保証が受けられる枠(融資の限度額)を温存しておくべきです。
ただし、公庫や銀行からの融資は審査も大変厳しいです。借入をするには審査に長期間(数週間~数カ月)がかかります。
企業としての業績(決算)が重視されますので、売上が低下し、会社の業績が苦しくなった状況で借入を希望しても審査に落ちる場合が多いです。
もはや常識ですが、「晴れの日に傘を貸して雨の日に傘を取り上げる」のが銀行という組織の特徴です。
5.ノンバンクから事業融資を受けるメリット
ノンバンクからの借入のメリットしては以下のようなものが挙げられます。
- 借入手続きが楽(WEBのみで手続きが完了するビジネスカードもある)
- 申込みに必要な書類が少ない(免許証、確定申告書があればOKの場合あり)。
- 銀行に比べて審査が緩い(会社の業績が悪くても借入可能)
- 銀行に比べて審査が早い(最短即日のスピード融資)
- 保証人・担保不要
- 融資の「枠」を作っておけば、いつでもコンビニATMから借入可能
銀行から融資を受ける場合は、当然ですが、平日昼間に銀行の店舗に足を運ぶ必要があります。
平日昼間に銀行の担当者と何度か面談して、経営状態だけではなく、代表者の人物的な資質・信頼性なども含めて審査されてようやく融資を受けることができます(審査に落ちることも多い)。
その点、ノンバンクからの借入の場合は、WEBだけで申込みから融資実行まで完結するものもあり、平日昼間に店舗に足を運ばなくても借入できます。
平日昼間に時間が取れない忙しい事業主には、ノンバンクのビジネスローンは大変便利です。
また、銀行から融資を受ける場合は通常以下のような書類を準備する必要があり、申込書類の準備だけでも大変です。
- 決算書(2期分)
- 試算表
- 資金繰り表
- 見積書など資金使途の根拠となる資料
- 融資実行後の経営状態の見通しを説明する資料
このように、資金使途や資金の返済可能性について銀行を説得するだけの資料を十分に用意することが難しい事業者も多いはずです。
その点、ノンバンクの事業融資の場合は、最低限、免許証(公的身分証明書)と確定申告書があれば借入できる場合もあります。
ノンバンクからの借入は、銀行融資に比べて申込み書類の準備が非常に楽です。
さらに、銀行の融資は会社の業績が重視されます。決算書の内容が悪ければは借入はできません。
しかし、ノンバンクの場合は、会社の業績が悪くても代表者個人の信用情報に問題がなければ、借入できる場合が多いです。
銀行からの融資には申し込みから実行まで数週間~数カ月かかりますが、ノンバンクは申込みから借入まで、最短即日です。
即日で資金調達したい場合や既に公庫や銀行から融資を断られている場合、融資審査に受かる自信が無い場合は、ノンバンクからの借入をお勧めします。
6.とりあえずノンバンクで融資の枠を作っておくと安心
ノンバンクからは最短即日で借入が可能とはいっても、一応審査はあるわけです。
そのため、ギリギリに切羽詰まった状況になってから、慌ててノンバンクに借入の申込みをするようなことはあまりお勧めできません。
そのようなギリギリの状況になってから、もし借入の審査に落ちてしまったら、手の打ちようがないからです。
本当に資金繰りに困った切羽詰まった精神状態では、落ち着いて申込み手続きをすることもできず、書類不備や記入項目漏れで審査に落ちてしまったり、通常より審査に時間がかかってしまうこともあります。
そこでお勧めなのが、いますぐに借入が必要ではなかったとしても、とりあえずノンバンクのビジネスカードを申し込んで、融資の「枠」(借入可能な限度額)を作っておき、いつでも借入できる状態を作っておくということです。
例えば、オリックスVIPローンカードビジネスでは、最高500万円の融資の枠が作れます。
資金的、時間的に余裕があるうちに融資の枠さえ作っておけば、本当にいざ資金が必要になったときに、融資の枠の範囲内で24時間いつでもコンビニATMから借入できますので非常に安心ですね。
7.ノンバンク事業融資とファクタリングを併用する
ノンバンク事業融資のデメリットとしては、銀行融資に比べて融資の限度額が少額ということが挙げられます。
ビジネスローンを提供している会社にもよりますが、ノンバンクからの借入は、数十万~数百万円程度が限度になることが多いです。
そこで、ノンバンクからの借入だけで必要な資金が賄えない場合は、ファクタリング(売掛債権の売却)などの他の資金調達手段も併用して必要な資金を確保するが必要になります。
ファクタリングとは、売掛債権(売掛金)の売却です。
ファクタリングで資金調達した場合は、借入と異なり資金を返済する必要がありません。
そのため、確定した売掛債権さえあればファクタリングは決算が赤字でも可能ですし、代表者の信用情報に傷(いわゆる信用ブラック)があってもファクタリングによる資金調達は可能です。
ノンバンクの審査が銀行に比べて緩いとはいっても、代表者の信用情報に傷がある場合は、ノンバンクからの借入も拒否される場合があります。
そのような場合でもファクタリングによる資金調達は可能ですので、売掛債権がある場合はノンバンクからの借入と並行して、ファクタリングによる資金調達も視野に入れましょう。