自己資金は6ヶ月以上前から慎重に
- 自己資金をより多くつくること
- 「国民生活金融公庫」等の公的融資制度を上手に利用すること
これらが大切です。
自己資金が多いほど、融資も多く受けることができるしくみになっています。
自己資金の多さとその準備過程。金融機関は融資審査において、そこを慎重に判断しているのです。
みなさんが起業を考える上で、まずは「開業資金をどのように集めるか?」が課題となります。
自己資金だけでは、事業資金を賄いきれないことがほとんどだと思います。
事業資金として不足する分は、金融機関などから融資を受けることになります。
事業をこれから始める場合や、開業後5年以内の場合であれば、「国民生活金融公庫」(国金)の融資制度が利用しやすいでしょう。
「国金」では、これから開業する起業家や開業後の税務申告2期分を終えていない方を対象とした「新創業融資」があり、自己資金の2倍まで無担保・無保証人で借入できるしくみになっています。
そうはいっても、審査の状況によっては借入に際して担保や保証人を必要とされる場合もあります。
事業を早めに軌道に乗せるためには、借入金は少ないに越したことはありません。借入金の返済負担が重くなると、事業の採算性や健全性を損ねることにつながります。
開業、創業を思いたったら、まずは「着実に自己資金を蓄えること」から始める、という姿勢が大切です。
「国金」の融資資金は、郵便貯金に預けられたお金が元手になっています。
政府系金融機関といえども、「貸したお金が将来きちんと返してもらえるか?」を慎重に検討し審査するのです。
万一、貸したお金を返してもらえないとなったら、その損失は国民の税金で穴埋めすることになるのですから。
どんな事業を行うのか、開業する動機、貸付する相手である「あなた」の知識・ノウハウ・経験、販売する商品のセールスポイントもさることながら。
最も慎重に検討されるのは、あなたの「人柄」なのです。それはどのように判断されるかというと、自己資金の多さと準備過程をみるのです。
「自己資金の多さは、開業にかける熱意に比例する。」
といっても差し支えないと思います。
チェックされるポイントとしては、
- どのくらい前から開業しようと考えていたのか
- どのくらいの準備期間で貯めたのか
- どれだけ計画的に貯めたのか
- 何かを犠牲にしてでも成し遂げようとしたのか
- 家計のムダなどを削減したのか
が考えられます。
自己資金は預金通帳で確認します。これは6ヶ月前にさかのぼって確認されます。
什器備品の購入など、大きな支出もできるだけ預金通帳に記録しておき、あわせて領収書を残しましょう。
そうすることで、既に支出済みでも融資審査上、自己資金と認めてもらえます。
最後にひとつご注意を。
「見せ金」は厳禁!ですよ。
これは、どこからか調達してきたお金を一時的に預け入れ、通帳に記帳し、いかにも自分の預金であるかのように見せかける行為のことをいいます。
6ヶ月まえにさかのぼって自己資金の出所を確認されますので、直前に多額の入金があったとしても、それが他からの借入である場合、自己資金とは認めてもらえません。金融機関からの信用を損なう行為となりますので、ご注意を…。
金融機関は、融資審査で「自己資金」の出所を慎重に確かめる。
6ヶ月まえまでさかのぼって確かめる。「見せ金」は厳禁!